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■羊のチーズ 農家の見学 (2001年6月6日(水))
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今日は、今回の旅のハイライト、バスク地方の羊チーズ、オッソ・イラティ作りを見学する日です。説明役として、長年長崎で布教活動をされ日本語の堪能なバスク出身の神父さん、ラバルタさんが同行してくださいました。バスでスペイン国境近くの山間の村、Arneguyへと向かいます。
バスでは山に上っていけないため、ふもとからはバンに乗り換えました。
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上・左の写真はふもと(の教会)から山を見上げたところです。少し離れたところにスペインとの国境線があります(上・右の写真)。
山の中腹まで登り、日本風に言うと「オッソイラティの道」と書かれた、羊の絵のステッカー(右の写真)のある農家、アリエット(Harret)さんのおうちににお邪魔しました。 |
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左から、アリエットさんご夫妻、いろいろアレンジ下さったピエールさん、お邪魔した直後に大きなオッソイラティを切ってご馳走してくださいました。男性は皆民族帽(と言うのかな?)のベレー帽をかぶっておられます。
早速チーズ作りについて説明していただきました。(本当はもっと早い時間にされるのですが、今日は、我々が訪問するので待っていてくださったとのこと。<(__)>)
左は、ミルクをいれておくタンクです。
カートを切る作業を実演していただきました。ステンレス製の浴槽のような容器にカートが入っています(左から2枚目)。はじめは、かき混ぜる部分がワイヤー状の器具(左から3枚目)で大まかに切り、その後、より細かく砕くために、板状の器具(右の写真)で混ぜていきます。
だいぶ切れてきました。握ってみて手の中に塊がおさまるように(手から固形の部分がはみ出さなく)なったら、かき混ぜる作業は終りです。5〜10分置きます(左の写真)。
xxxさんのおうちでは200頭の羊を飼われているそうです。伝統的な種のマネッシュ種、乳の量は多くないが品質が高いそうです。今は乳が出る一番最後の時期なので、一頭あたりコップ1杯くらい、多い時期は一頭が1Lくらい出すそうです。
次に、しきりで固形の部分を中央に寄せ(左から2枚目)、中央の部分に、網を敷き、レンガを2つ置き(左から3枚目)、重石のバケツを置きます。バケツの中には乳清を入れます。また、乳清には殺菌効果があるので、バケツの中やしきりの外の乳清には布巾やチーズの型をつけます(右の写真)。
しばらく時間を置き、不要な乳清を除くために栓をあけます。茶濃しのようなものでカートは取りだし、乳清はバケツに集めます。この乳清は豚のえさにするそうです。(左の写真) 中央の水分を切ったカートにチーズの型をうつぶせに置きます。型をひっくり返し、型いっぱいまでカートをたして、詰めます。写真の型には、2.5kg入ります。
(中央の2枚の写真)
蓋をのせ、しばらく置きます。(右の写真)
いったん型からカートを出し、乳清にひたしておいた布巾を型に敷き、カートの塊を戻します。布巾でくるんで、蓋をおきます。この布巾がないとオッソイラティの表皮ができない、布はきめの細かいものにしないと、布目がチーズについてしまうとのお話でした。(左の写真)
最後にプレスをします。浴槽のような容器の向こう側にプレス機が見えています(左から2枚目の写真)。蓋をした型を並べ、両端から、1kgの圧力を15分間、次に2.5kgの圧力を3時間かけます(左から3枚目の写真)。搾り出された乳清は脇へ流れ出ます(右の写真)。
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今は、プレスの工程は機械化されていますが、10年前までは、左の道具で、手動でプレスしていたそうです。木の枠をチーズにはめ、周りにひもを回し上から押して圧縮します。この方法で1日4個作っておられたそうです。
美味しいチーズやワインでの心温まる歓待、丁寧な説明を受けて、大満足の見学でした。
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■お昼もバスク風 (St-Michelにて)
お昼は近くのレストランで、バスク風のお料理をいただきました。なかなかお洒落なレストランで、飾ってある花がとても印象的でした。(左から2枚目、一番右の鉢、蓮根のドライフラワー?も使ってあります)
地元の赤ワイン、前菜のハムと、トマト味の野菜の炒め煮です。
メインは子羊。インゲン豆の付け合わせ。オッソイラティの後、ピスタチオとコーヒーのアイスクリームのデザート、生クリームがたっぷり添えられています。最後はコーヒー。素朴ですが、しっかりした味の美味しい、気持ちのいい食事でした。
■羊のチーズ 工場の見学
午後からは、オッソイラティの工場の見学をしました。(当然のことながら)基本的な作業、道具は午前中に見学した農家と同じですが、全てが大掛かり、大規模でした。 写真左から、ミルクを入れるタンクです。2つで7500リットル入るとのこと。ミルクは4度に保ちます
左から2枚目の写真、奥にタンクが見えています。4度のミルクを、湯煎で、25度に上げます。この作業は、500リットルで、1時間かかるそうです。タンクは3つあり、それぞれ2000L、700L、1700L入るそうですが、ハイシーズンは1日に2回使うこともあるそうです。(なお、この工場では、生乳、低温無殺菌乳、殺菌乳の3種類のミルクを扱っているとのこと。)
酵素を入れて、おきます。(約2時間)
次にカートを切る作業にかかります。左から2枚目の写真、手前にこの作業をする容器、撹拌する器具などが見えます。カートは、米粒くらい、最大でもとうもろこし粒くらいの大きさに切ります。この作業の際には、カートと乳清を分離させるため、42-43度にミルクの温度を上げます。この作業に約45分かかります。
型入れの作業も同様です。午前中に型入れの作業は終ったので、型入れ後、洗われた型が容器の上に置かれています(3枚目の写真)。型入れは20-25度で、手早くミルクが冷めないうちに行います。
その後、機械で、7-8kgの圧力で15分圧縮します。(右の写真)
搾り出された乳清は、豚のえさにしたり、工場で粉末にして加工食品に用いたりするそうです。
さらに3時間圧縮を行い、4つの大きさ(500g、1-1.5kg、2.5kg、3-4kg)に加工します。
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説明をしてくださった方です。手に持たれているのがチーズの型、網目がついています。こちらの説明では、布巾を使わなくても網目模様の表皮はできるとのことでした。 |
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その後、10度の部屋へ写します。(左の写真は、温度調節の機械。寒いくらいに感じる部屋でした。) 今日の午前中に作ったものが、まだ型に入って置かれていました(左から2枚目)。12時間、そのまま置くそうです。
その後、小さいものは12時間、大きいものは24時間、塩水につけます(右の2枚の写真)。網目模様ができているのがわかります。
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続いて、チーズの熟成・保管をしている所を見ました。
ずらーっと並ぶプラスチックの棚にいろいろな段階のチーズが並んでいます。保管庫の中は11度に保たれています。
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左2枚の写真のチーズには、かなりのカビが生えています。出荷する1週間前に皮をこすり、表皮をきれいにするそうです。
左から2枚目、チーズの上に皮をこするブラシが乗っています。3枚目は落としたカビ、右はきれいになった後のチーズの写真です。
■St-Jean Pied-de-Port の町を散策
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夕方までに少し時間があったので、城壁のある町、St-Jean Pied-de-Port の町を散策したり、買物をして自由時間を過ごしました。
高台にある城壁の近くから、町並みを見下ろしてみました。白い壁、赤い瓦の家が並んでいます。 |
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石畳の道が続きます。家々の軒先や道の端には、花が飾られていました。(こちらの写真もご覧ください。)
右の3枚は、川にかかる橋とレンガ作りの時計台、その橋から川下、川上を写した写真です。
雑貨やお菓子屋さんなどもありましたが、みやげ物を扱うお店が軒を並べていました。木綿製品(野菜を刺繍したものや独特の色使いのストライプ、ボーダー柄の布巾やランチョンマット、ミトン、スリッパなど。野菜では真っ赤な唐辛子の模様が目を引きました)を扱うお店が多かったです。また、この地方は地層が古いのでしょうか、化石を加工した置物や装飾品が並ぶお店もありました。
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