■出発からパリ到着まで (2001年6月1日(金))

 成田空港を利用するのは始めてでした。(これまでは、いつも、伊丹あるいは関空から外国へ、その後必要ならば乗り継ぎという形で旅してきました。) 少し使いにくい空港と感じました。ターミナルが分かれていること、地理的な問題(それにしても、羽田までの遠さにはびっくりしました)もありますが、一番感じたのは方向表示のわかりにくさ。表示板を置く位置の悪さも気になったけれど、日本語表示のみの(絵の表示がない・わかりにくい)ものが多く、国際空港なのに、日本語が母国語でない人に不親切な空港という印象を受けました。
 成田の出発がお昼でしたので、朝伊丹から飛んで、充分間に合いました。
 今回の参加者は(最終的に)11人。添乗員さんはおられませんが、お店(フェルミエ)からお二人、そしてパリ在住の通訳の方が加わられての旅になります。
 パリまでのフライトは約12時間。機内食を食べる以外は、ほとんどずっと眠っていました。(^^;; 見たい映画もなかったしね。AFは洋画と邦画の2本立。行きはショコラとホワイト・アウト。
 今はサマータイムですので、パリとの時差は7時間。夕方の到着です。
 一番始めにしたことは、お金の両替。空港で迎えてくれたガイドさんが、(パリの空港より)率のいい両替商を連れて来られていました。(成田空港では1FF=19.5円のレートでしたが 16.7円で交換することができ、ラッキーでした。)
 泊まったホテルはオペラ座の近く。ほとんどの参加者は夕食に出かけられましたが、私はあまりお腹が空いていなかったので、出かけるのをやめ、早めに休むことにしました。


■Milhietさんのお宅を訪問 (2001年6月2日(土))

 今回たずねるチーズは、山羊(シェーブル)、羊(ブルビ)のものばかりです。牛乳製のものがないの、残念ではありますが、逆に、ふだん必ずしもよいものに巡り合えないチーズの真髄に触れることのできそうな旅です。

 朝、9時に出発です。フランス内はずっと専用バスで移動しました。
   約1時間走り、Marsauceux の山羊農家、ミリエ(Milhiet)さんのおうちに伺いました。(途中、ここでダイアナ妃が亡くなられたというガード下をくぐって、ふーんと感心。) もう、周りはすっかり田舎の景色です。

 左手に山羊小屋が見えます。右の建物のドア、フロマージュリエと書かれているところから入りました。
  

   

 右の建物の扉を入ったところです。おいしそうなチーズ(み〜んなシェーブル!)がいっぱい並んでるだけでなく、瓶詰めの野菜やワインなどが売られています。地元の方がたくさん買いに来られていました。

     


 ここで、靴の上にビニルをかぶせ、ほこりを持ってはいらないようにして、左手へと進みました。
 部屋を出ると、すぐに、大きなミルクの貯蔵庫。ミルクの温度は58度に保たれるそうです(左の写真)。そしてその奥には、凝乳酵素を入れたミルクがバケツにおかれています(中央の写真。右はそのアップ)。通常は24時間置くところを、ミリエさんのお宅では36〜48時間置くとのこと。リスキーではありますが、こうすることにより野性味のあるチーズが生み出せるとのお話でした。

     

 さらに奥の部屋に進み、型入れを見せていただきました。さまざまな型に、ひしゃくで2回すくって、やさしく手でいれます。後ほど、また2回。手でいれるところ、工場製との違いです。
 型により違うチーズになるわけですが、入れるミルクは同じです。「どこで変わるのか」という質問に対し、型の大小により水分の切れる時間・乾燥の度合いが違うことにより、脂肪分の熟成が変わってくること、また加塩の具合が違うとのことでした。

 次に、乾燥室です(下・左の写真)。13度、湿度72%に保たれているそうです。乾燥室というわりに湿度が高いように感じましたが、放っておくと湿度が100%になるところを、空気をまわすことで72%に下げているとのことでした。乾燥室では、はじめのうちは2日に1回、堅くなってきたら1週間に1回、チーズの角度を変えます。
 なお、熟成室は別にあり、こちらは7〜9度、湿度15〜20%に保つそうです。チーズにはカビが生えますが、水分を好むカビはよくないカビですので、乾燥した後に(環境で)生えるものでなくてはならないそうです。熟成室への移動は、状態をみて、7〜10日ほどたってから。時期は、チーズのほうから語りかけてくると言われていました。(熟成室の写真はありません)

 
    右の写真、右側は加塩しただけのフレッシュなチーズ(4日目)、左側は3ヶ月おいた少しカビの生えたもの。水分が抜けると、これだけ大きさが変わるんですね。   

 外へ出て、山羊小屋へ。ミリエさんのところには350頭の山羊がいます。一日に食べる草の量はなんと3トン! 牧草も穀類も自家製のものを使っているそうです。(左の2枚の写真)
 小屋の中に入り、搾乳室を見ました(右の2枚の写真)。
 搾乳は午前・午後の2回。1年に、平均で、1頭1200リットルの乳がとれます。普通は600リットルくらいだそうですが、ミリエさんは品種改良の専門家で、20年かけて改良を行なってきたそうです。乳の多い時期には1時間で80頭、少ない時期には120頭、しぼれるとのこと。

 さらに奥の山羊小屋をみました。メスの中にはお乳がはっているものもいます。角のあるのはオス。10匹いるうち、今働いているものは4頭いるそうです。最後の写真は干草の山。こんな山がいくつも傍らの倉庫に積んでありました(なにせ、一日に3トンですから・・・)


 
   いろいろ見せていただいた後、ミリエさんの奥様の手料理のランチをいただきました。少し離れた別宅で(左が建物の様子、右がテーブル・セッティング)、心づくしの料理をいただきました。とても美味しかったです。何から何までありがとうございました。   

上段:左からカナッペ、山盛りのチーズ、好きなものをカットしたところ、ワインは(右から)泡・白・赤と3種類。
下段:お魚はサーモン、ゆで卵の黄身にもシェーブルチーズが練りこんでありました! アスパラガスが美味。お肉は鴨とチキン。そして、たくさんの種類のプチフール、好きなものをいただきました。


 
   夕方、トゥールへ戻りました。あまりお腹は空かなかったので夕食には行かず、すこし市内を歩いてみました。
 左は大聖堂、右は駅です。古い立派な建物の多い、なかなか大きな街でした。
 下は公園の風景です。薔薇がとりわけ見頃でした。何人かの人が芝生の上でのんびりと過ごしていました。
 
  

     

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