たれぱんだは、玉乗りをします。玉に乗られもします。これは、たれぱんだの芸(のひとつ)です。
芸と言うのは、修行の一貫なわけで、厳しいものです。遊びでやっているわけではないのです。
でも、好きじゃないと、つらいことだけだと、続けられないだろうと思います。
玉乗りをしているたれは、苦しそうには見えません。飄々と、玉乗りをしています。
その風貌からは、たれが何を考えているのかわからないけれど、とても自然に見えます。
玉をコントロールしようと体に力を入れるのでもなく、玉の動きや重力に逆らおうとするのでもなく、そして玉の動きを怖がる様子もみせず、淡々と、玉の動きにからだを預け、こころを預け、玉と一体になって乗ったり、乗られたりしています。
ふつう、玉の上に乗っているときは平静な心を保てても、傾きだしたら、からだがだんだんと床の方へ近づきだしたら、あせると思うのです。じたばた、おろおろすると思うのです。
でも、たれは、そんなそぶりは微塵も見せません。
この悟りきった境地、動きが、私のこころをとらえて離しません。
−−嗚呼、わたしも、はやく、このような心持ちに到達したい・・・