2000年10月29日、大阪市東淀川区、阪急淡路駅から徒歩で約10分のクレオ大阪北（大阪市立女性いきいきセンター）で、「クレオ大阪北フェスタ」のイベントとして、女性イラストレーター座談会「私ら、コレで食べてます」が開かれました。

　出席者は、コーディネーターとして竜巻竜次さん、ゲストがいのうえさきこさん、ウマカケバクミコさん、中西らつ子さんの合計4人でした。

　　⇒　当日の資料から、出席者のプロフィールを紹介します。（五十音順）

いのうえさきこ：漫画家・イラストレーター。大阪市税ポスターをはじめ、「ぴあ・まんぷく図鑑」「イーガー」「TVぴあ」などで活躍中。昨年関西TVでオンエアされたCGキャラクター「なにぬねノムさん」のデザインを担当。近著として、DOS/V magazineへの連載を集めた「理由は聞くな。大人なら。」（ソフトバンク）がある。

ウマカケバクミコ：イラストレーター。阪急電車マナーポスターをはじめ、「HANAKO WEST」「けっこんぴあ」など雑誌や広告のイラストで活躍中。住まい情報センター発行物冊子「あんじゅ」では表紙を担当。98年より「ウマカケバクミコのウマケカバウマクイク展」を数回開催。

中西らつ子：イラストレーター。TV番組「テレビのツボ」の説明用カットや「爆笑ブーイング」の番組キャラクターが講評。現在は「関西ウォーカー」「シティリビング」「健康な子供」などでレギュラーとして活躍中。ヒガシマル食品「そばめし」パッケージイラストでもおなじみ。

竜巻竜次：漫画家。大阪市女性協会作成の啓発冊子「シアタークレオ」「メディアウォッチ」をはじめ、ジェンダー･チェックパネルなどのイラストを担当。

　以下、当日の模様をレポートします。なお、質問は、事前に主催者の方々が準備されたものです。（コーディネータの元には、他の３人が事前に解答された結果があったようです。）　最後には、質疑応答の時間も設けられました。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　雑誌、PC雑誌があちゃら、Mac Life、Dos/V magazine、マフィンなどの子育て・出産・主婦雑誌など、10本から20本レギュラーを書いています。

　一番最近の仕事は、関電のカレンダー。（「えっ、関電って」という声に答えて）エコ・アイスのペンギンは私じゃないんですけれど。
　マーカーで仕上げるのが主だったのですが、去年からカラーインクを使い出したんです。ファンシーな感じのカレンダーです。
　一応、いろいろ持ってきました。（と、雑誌やファイルを取り出す。）　Hanako Westさん、NTT docomo関西さん、あと味覚党のBears chocoに３クマ・マンガを書いています。来春からちよこというキャラクターを登場させます。

　4コマをYahooに書いたり、あと、ヒガシマルのそばめしに春からピリカラ味が登場するので、キムチ味のキムチのおばちゃんに代えて、若い女性のキャラクターを最近描いてました。
（中西さんの絵は、ほっぺたの絵が印象的ですねの声に答えて）そうですね、3つに分かれた、膨らんだほっぺなんですけど、よく、似てますねーって言われるんです。似てますかぁ　（と、会場を向く）

ペンネームの由来は？　それとも本名ですか？　　 　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　私の場合、印象に残る名前にしたくて、上から読んでも下から読んでも同じ名前ということで竜巻竜、、で、これが兄の方、そして、その弟ということで「次」の字をつけたペンネームにしたんです。　（へぇ、お兄いさんもいたんですね　との声がかかる）　ええ、結局、お兄さんの方は使わないうちに、鬼籍に入られてしまいましたが。
　でも、皆さんご本名なんですね。ウマカケバさんがご本名なのには、びっくりしました。

　はい。本名です。馬欠場と書きます。絶対読んでいただけないんで、全部カタカナにしたんです。でも、今日は大丈夫かな　（と言いながら、自分の前の名札を見る）　たまに、「ウマカケ（空白）バクミコ」という風に変なところに空白を入れられてしまうんです。

　私も中西は本名です。下は本当はせつこなんですが、大学時代、ハードロックグループのラットにすごく狂っていて、らっちゃんと呼ばれていたので。

　私も本名です。以前、占いの本を編集したとき、占い師さんに、「あんた名前悪いわ〜　あんたが担当したら本が売れへん」って言われたんです。漢字の画数が悪い、開くとましと言われたのでひらがなにしました。
　エカテリーナっていうペンネームを一時期使いましたが、いちいち説明するのもめんどくさいし。

出身は？　マンガ？　イラストレータ−？　　 　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　私は広告製作プロダクションに所属しながら仕事をしています。

　ここ４年くらいライター件イラストレータをしています。その前は、まず、デザイン事務室。次に出版社で、本の編集や出版をしました。５人くらいの会社だったんですけれど、つぶれそうになって、私が一番若かったので、自分からやめました。それで、名刺を作って配りまくったら・・・今にいたったというわけです。

（「名刺にイラストレーター、ライターって肩書き書いて配りまくると言うのは、とにかく基本ですよね」の声。皆、口々に賛同。）

　４、５年普通の会社でOLをしていました。そこをやめて、次の職を見つけるまで、結婚するまではと思っていたら、続いてしまって。

（そうそうと、賛同の声（特に、から）あがる。ちなみに、竜巻竜次さん以外の先生方は皆さん独身でらっしゃいました。）

　私は京都の美術系の短大を出たんですけど、デザインだったんですが、ちゃんと出席したことがなくて、当時は写真ばかり撮ってて遊んでたんです。卒業して神戸の事務室へ入りかけたんですが、これではいかんと思って、マンガ家になりますって啖呵切ってやめてしまいました。
　それで、投稿をあちらこちらへ持ちこんで・・・始めは「花とゆめ」にもっていったんですよ。（ほーっと感嘆の声があがる）　美少年ブームの頃でなかなかでしたが、その頃創刊された「マンガ少年」の第1回新人賞で佳作をとらしていただいたのがきっかけになりました。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　自宅でします。９時から５時というスケジュールをつくっています。そうでないと、ずるずるしてしまいますから。

　毎日、滋賀から大阪へ出てきています。ひとりぐらしの経験もあるんですけれど、とにかく自宅と仕事場が同じだと仕事できないんです。
　今は、友達を誘って事務室を借りています。電話とる人がいないので、毎日、11時ごろには出るようにしています。それから、最近開いたHPの掲示板のレスをつけて、仕事を始めます。だいたい７時か８時くらいまで。夜は基本的に仕事しないようにしています。

　両親と同居していることもあって、家では仕事しません。仕事している時って、ああ、これはこれくらいかかるなあって読めるんですけれど・・・私は結構夜型です。

　いのうえ 　ウマカケバ 　中西 　竜巻

　余裕がない時はあまり聞かないですね。

　あまりないですね。日本語の歌詞はうるさいですし。

　私はTVをつけながら仕事してます。ワイドショーとか見ながら、おばさん系のニーズを拾っています。

　私はアイデア考えているときは自宅はダメなんです。で、喫茶店へ行ってするんですけど　（行きつけの、お気に入りの喫茶店があるご様子）　ざわざわしゃべっている声が聞こえるとネタになることがあるんです。　

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　いないですね。 それに、こちらが思っていても向こうが思っていないかもしれないし。ライバルって対等ってことですよね。

　同業者にはあまり目がいかないですね。でも、違う業界の方で、面白いなあと思ったりすることは多いですが。

（この意見に、皆、口々に賛同。ここで、なぜか話題は個展の話に）

2年くらい前から、こなした仕事をまとめて、個展をするようになったんです。

　私はフリーペーパーつくるのは好きなんですけど。それから、はじめたし。展覧会は３、４年前にして、それ以来やったことないです。

　私はやる気ないです。というか、いっぱいいっぱいなので、できないです。やりっぱなしの仕事ばかりですね。その時は一生懸命なんだけれど。

　私は金にならないことはやらへん主義です。　

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

（「いのうえさん、PC雑誌のお仕事が多いですよね」の声に答えて）

　そうですね。でも、PCに詳しいからってことではないんです。
　TVぴあに3年くらいマンガをかいていたんですけど、その編集の方がDos/Vマガジンの年間購読者の方だったんです。途中降板した方の代打で、競馬のマンガをかいたのが始めです。その後、週刊アスキー、アイコンとかアンドゥーとか名前を変えてますけど、青木みつえさんが子供ができられたんで、それの代打で。
　私は、PC使っています。でも、データ半分、マーカー半分といったところです。送るのはメールを利用しています。

　そうなんですよね。データくださいっていうお話が多いんです。それで、昨年iMacを17、8万出して買ったんだけど、巣箱と化してしまっている（メールしかしない）状態だし。

（他の二人、この意見に、しきりにうなづく。）

　それでいいと思いますよ。
　「データで送ってください」という話は多いですけれど、私の場合はお付き合いの長いところが多いですが、新規の相手だと少し考えますね。広告系だと、流用されることも多いですし。原画を渡して、返してもらう方が安心です。あと、カラーインクといったニュアンスのあるものは、難しいですし。

（その場に、そんなものかなーという雰囲気が漂う。）

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　皆さん、同じこと（解答に）書かれていますね。メリット：在阪でもできる、結婚後もできる、元手がかからない、デメリット：生活が不規則、収入不安定。（皆、うなづく）　メリットって思ったこと、他にどんなことがおありですか。

　私は落語が好きなんです。絵をかかせていただくという形で、そういう世界と関わることができますよね。チラシを書くと、お笑いにも進出できると言うか。

　大手の企業のお仕事はメリットあるかもしれません。ギャラがいいこともありますが、そこからのつながりで世界が広がることが大きいです。

　そうですねー。メリットねえ・・・そういえば、森永さんの仕事をしたらいろいろ商品・試供品とかもらえましたね。でも、おもちゃの缶詰ほしいって言ったんですけど、これはだめでした。あの中身は会社の中でも担当者以外の人は知らない企業秘密なんだそうです。（へー、そうなのーとみんな感心。）

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　皆さん、仕事は知り合いの方からまわってくるということですね。すると、あまり営業とかはされたことないのかな？

　私は営業したことはないですね。雑誌からの口コミで、仕事をいただいてます。

　デザイン会社に5年勤めていてやめたんですけれど、その時のことを知っていた方から、連載の仕事は向こうから来ました。私も営業したことはありません。

　私は、自分の作品を持って何箇所かまわったことがあります。東京も１回まわったかな？

　ところで、マンガ家はどうやって営業したらいいんでしょうねぇ？

　どうでしょうねぇ。口を大きく開けていたら、仕事が来ましたが。

（皆さん、ワイワイ・ガヤガヤ。結論は、一言では言えないよとのことでした。）

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

（ひとしきり、皆さんから、「おいしい仕事って、何だろう？」の声が出たところで）

　そばめしのお仕事は、キャラが表に出る、いい仕事だったと思います。
　あと、私は舞台が好きなんですけれど、出かけていってかく仕事で、ライオンキングの裏舞台を見れるというのがあって、これはすごくよかったです。

（「いのうえさんは、美味しいものの本をよくされてますよね」の声に対し）

　そうですね、ぴあとランキンググルメの仕事をしましたから。でも、仕事がベタなのがわかると、ゲロマズな方へ行ってしまって。
　プチセブン、女子高生向きの雑誌ですけれど、読者欄にカットしていいたら、編集者の方から、まずいものを食べてネタにしてくれって依頼が来て。もうすぐ連載が始まるんですけど。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　東京と大阪ではギャラのケタが違うってよく言いますよね。

　ドコモさんはたしかに高いですね。だけど、私はギャラの高い・安いもありますけれど、雑誌で取材もあって丸一日つぶれるというのがつらいですね。一日つぶれてこの値段という感じになるので。

（この意見に、賛成の声、続出）

　あと、濃い人に会うという企画があって、芸能人に会えるんですけれど、これは気をもらえるような気がして、安いけれど、いい仕事だったなと思ってます。（え、芸能人！　誰？　誰？の声に対し）西川のりおさん（笑い声が起こる）、ほんと濃いですよね、あと、中尾彬さん、（へ〜〜）　人気が出る前の藤井隆さん、（わぁ〜）、あと宍戸開さん、このときはお父さんの宍戸錠さんにもお会いできて、（ほ〜〜）　ほんと、おいしかったです。（ここで、「そうそう、個展に高知東生から花輪もらっておられましたよね」との声が）　そうなんですよ、高知東生さんも濃い人のひとりで、ねぇねぇ電話番号教えてっていうノリの、いかにも軽い芸能人で、（大きな笑い声おこる）　ちょうど個展の前だったので、今度個展やるんでお花贈ってくださいねって言ったら、花輪が来て・・・ええひとやなあと思いました。

　いいなあ、私は、安い仕事しかしてないですね。

　大阪の事務所って、まず値段交渉からはいるんですよね。ワンカットどれくらいですか？って、で、どんな仕事ですかって聞いても、いやー小さいのですとしか言わないし。で、受けてみたら、本当に安くって、えー、宅急便で送ったら足出るやんかーだったり。

　フリーの方はその点エライと思うんです。私の場合、値段交渉やキャラクターの著作権交渉は、プロダクションのマネージャーがやってくれますから。

　キャラクターといえば、たれぱんだとか、キャラクターであてたいと思ったことありませんか？

　どうでしょうねぇ・・・TVの仕事で、野村監督や新庄選手のCGを作ったことがあるのですが、本人がいるものって難しいですよね。
　ピップエレキバンの4コママンガで、頭の上にゾウリムシを乗せたキャラを作りましたが、ぽしゃってしまいました。
　あと、和歌山の有名なマンガ家の方、OLキャラで有名な方ですけど、その代打の仕事だったんですが、もとは４コマを４本、カラーで200万だったそうです。（えーっと、驚嘆の声があがる）　わー、すごい、10分の１でもいいと言ってしまったばっかりに、それよりもっと値切られてしまいましたが。

　見積もりはすごく難しいですよね。私もあるプレゼンのとき、仕事とれたんですけど、一番安いからとれたのかなと思ったことあります。

　新人のときは一定のレベルで、それから、ちょっとずつ上がっていきますよね。2〜3年目のマンガ家の人なんだけど「私らピンクレディやから」って言うんですよ。月産100〜120枚（えー、すごい枚数との声）、それを単価1.5万でこなす。で、だんだん単価が高くなると、仕事量が減るんですよね。
　単価って下がらないんですよ。で、お名前挙げたら、どなたでもご存知のある有名な少女マンガの大御所の方、悪いことにかかれていた雑誌がなくなってしまったために、今、営業に回っておられるようです。（高いってどれくらいなんですかの声があがり）　白土三平さんが10万って聞きましたが、あと、東京のマンガ家の方で見開き・カラーで1000万とか。（ほぉおぉ〜〜〜）
　結局、マンガ家はどらえもんがやりたいですね。これひとつあれば、くっていけるという。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　大きさ、カラーかどうか、４コマかどうか、どんな仕事に時間がかかられますか？

　カットでもイラストでもマンガでも同じですね。結局、時間がかかるのはネタ決めのところで、かくのは早いほうですので、ネタさえ決まればあとは何ページでも同じです。

　似顔絵の場合は絵が中心、４コマの場合はネタ中心になります。4コマの場合は、アイデアに時間がかかります。ぱっと浮かぶときは浮かぶんですが・・・端から見ていると遊んでいるみたいに見えていると思います。時間が読めないですね。
　似顔絵の方は、できたと思っても、あとで見かえすと似ていない時があります。ですから、何回も見なおします。

　関西人は、笑かすものと思われているところがありますよね。

　たしかに、大阪人のノリを期待されていると感じることはありますね。

　「ひとコマで落としてください」とか言われますよね。

　そうですよね、「いつものんで、ばーっとお願いしますよ-」って言われて、打ち合わせなしとかね。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　やめようと思ったことはないですね。仕事がある限りはやっていると思います。ただ、お客さん来るかなーというのはありますけど。

　私、専業主婦がすごいあこがれだったんです。でも、続けざるをえなかったというか・・・

　専業主婦はあこがれですよねー

　休みたいと思うことはあるけれど、やめたいと思ったことはないですね。

　ひとつの仕事が終わると、コンテ捨てると、ああやったーっていう達成感はありますね。・・・萩尾望都さんはコンテも全部取っておられるそうだけど。・・・しんどい反面、やめようと思ったことはないですねー

（みんな、口々に賛同）

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　子育てマンガとか・・・

　老人話が書いてみたいですね。祖母と同居しているんですが、ぼけまくってくれるので、いいネタがいっぱいあるので。

　携帯電話のメールってありますよね、あれ、面倒と言うかなかなか打てないでしょ。で、ある中学生からメールくださいって言われて、30分くらいかかって一生懸命打って出したら、２分くらいで返って来る。そいで、何遊んでるんやーって説教くさいこと書くため、また一生懸命メール打って。
　まあ、近頃の若いものはとか、昔はよかったとか言い出すと、年をとった証拠なんですけれど。
　ところで、ゲームの仕事はやってみられたいですか？

　ゲームはまったく知らないんですよ。PCは持ってはいるんですが、プロ野球ゲームしかしないし。

　私もまったくしません。

　全くしません。プロレスのためスーファミは持ってましたけれど。

　私もまったくしないんです。Halで非常勤講師をさせてもらっているんですけれど、同僚にはものすごく好きな人が多いですね。
　ゲームのキャラクターの仕事は、来るんですけれど、ぼつることが多いですし。
　何もせずに儲かるといいなあと思うんですけれど。

　質疑応答のコーナー　

ギャラが安いとのお話がありましたが、副業の経験はおありになるのですか？　　 　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　副業と言うか、イラスト教室の講師をしています。

　文章書いたり、取材行ったりはしましたね。本をつくるノウハウがわかってよかった部分はあります。夜逃げ状態になっちゃったので、人脈は残っていないですけれど。

　グラフィックデザインもやっていて、比重がだんだんイラストレーターになったという感じです。人脈は今に通じていますね。

　私の場合は、バイトが本業に変わったというところです。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　なにわ金融道の方が45歳でデビューされてますね。昔は学生デビューが多くて、22でもおばちゃん扱いでしたけれど、今はそんなことないと思いますよ。ただ、雑誌にはよりますね。絵に人生が出ますから、かく内容によって年代が違うというところがあります。少女マンガは、伝統的な少女マンガ、飛んでいる少女マンガ、ホモ系の3つに完全に分かれていますからね。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　電車の中で考えることが多いです。日常生活でいいネタを見つけると、もらい〜という感じですね。

　半径１ｍ以内でおこったことが多いです。お風呂で半身浴しながら考えたりします。

　現実からですね。周りで起こったことをもとに、そのままかくと面白くないので、妄想して話を膨らませます。

　周りの会話からなど、日常ネタが多いですね。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　ファイル（作品集）をきちんと作ること、ファイリングの仕方を工夫してみることが大事ですよ。

　どのタイプの雑誌が自分に向くか、考えた方がいいです。雑誌社は、どんな作品でも必ず見てはくれる。でも、合わない作品は、出来の良し悪しに関係なく採用しませんから。

画材やテクニックについては、人としゃべることで情報収集ができることも多いです。アシスタントさん、すごいうまい人が多くって、へぇーっ、こんなんあるのとか、いろいろ教わること多いですねー。

（「でも、イラストレーターというのは、案外、横のつながり、知りあいっていないですねー」と、皆さん口々に言われてました。）

　横のつながりが欲しければ、学校や会社に入るのが手っ取り早いのは早いですね。後、今は、インターネットの同好会もありますね。自分が発起人になるという手もあるし。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　失敗しても忘れてしまいますからねー　仕事そのものを忘れてしまっていたというのもあります。（「スケジュール管理は自分でやってるんですか？」の声に）　自分でやってます。　（「たくさん、どう考えてもできないくらい入れてしまったら、どうしますか」の突っ込みに、力強く）　吐いてでも、やります。やると、どうにかやれてしまいます。

　納得のいかないものいれてしまったことはありますね。

（みんな、ざわざわ、「それはありますねー」）

　郵送したつもりが、かばんの中に残っているのを後になって気づいたとか。

　ありますね、それ。私の場合はファックスでラフを送ったつもりでちっとも返事が来ないから、怒って電話して、まだ来ていませんけど、もう一度送ってもらえませんかって言われて、見たらコピーとってないから、あれ、まだ送ってなかったかな・・・とかね。

　あります、あります。大掃除で、送りました、いや絶対来てませんってやりとりした原稿が出て来たり。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　私にしても、ものすごくなりたいと思ってなったわけではないです。なる人はなんとなくなる、案外、そんなものですけれど。

　私はいつも絵を書いていました。どこの学校へ行けばいいか、高校の時の進路相談でしました。そういうのは、いいかもしれません。

　マンガ科の講師をしていて思うのは、なれるならなりたいです、こんな根性ではダメですね。まずは名刺作って、マンガ家と書いてしまえというか。本当になりたいなら、何とかしてなれます。勉強したくないからマンガ家というのはちょっとね。

　先日小学生の子が親御さんに連れて来られて、どうしても学生の間にデビューさせたいからどうしたらいいかってご相談に見えたんですけど・・・マンガ家って好奇心がいろんな方面にないとダメですから。絵だけかいてては狭いので、まずはしっかり勉強した方がいいと思いますね。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　少女誌の方がギャラは安いですね、でも、その分、ページ数は多いですが。あと、潜入風俗ルポの仕事は来ないですね。

　いや、一度ありましたよ。でも、雑誌自身がつぶれちゃいましたけど。

　私がかいているのは女性誌が多いので、男性誌もかいてみたいですけれどね。

　男性イラストレーターは在阪の人はとても少ないですよ。媒体が少ないですし、やはり奥さん子供食わしていこうと思ったら、東京でないとというのはあるようです。本当は、今日のパネラーの中に、男性イラストレーターもはいる予定だったんですけれど。

　 いのうえ 　 ウマカケバ 　 中西 　 竜巻

　一度、釣りバカ日誌みたいなのかいてって言われたんですけれど、３コマくらいはがんばってみましたけれど、結局は無理ですね。

　絵を持ってきて、こんな感じでお願いしますという仕事は多いですね。会社やめた直後はのったこともありますけれど。

　「ウマカケバクミコ」としてでなく、広告などは「イラストレーター」としてかかないといけない仕事もあるので、ある意味つらいですね。

　でも、そういうの、世界が広がるきっかけになりませんか。

　たしかに、それはありますね。

　私は、他の絵はかけないタイプですね。

というわけで、2時間にわたる座談会は終了しました。講師の先生方、お疲れ様でした。
こんな内容でよかったのかなあ・・・と口にされていましたが、20数名の出席者、大満足の座談会でした。
終了後は、先生方にサインをお願いしたり、写真を撮らせていただいたり、歓談の時がしばらく続きました。そんなシーンの一コマです。

（左から、竜巻先生、いのうえ先生、ウマカケバ先生、中西先生です。）