2003年3/22、半年ぶりのアフタヌーン・チーズ・ブレイク(ACB)が開催されました。25回めのお題は「スペインチーズ&ワイン」。
フランスやイタリアに比べて、決してよく知っているとは言えないスペインのワイン、さらにチーズとなるとマンチェゴしか思い浮かばないどんたれですが、いろいろなチーズを見たり食べたり、さらにワインやシェリーと合わせてみたり。参加された方々と歓談しながら、スペインのワインとチーズを満喫してきました。
土曜日の午後、会場に向かいます。会場は公民館の会議室。机を移動・組み合わしテーブルクロスがかけられ、6人掛けのテーブルがいくつか作られています。
手続きをすませてテーブルに座ります。ワイングラスや銘々皿の並ぶ中に、どどーんと今日のチーズが盛り合わされたプラトーが置かれています(これで6人前)。
チーズには、お手製のチーズ名が書かれた旗が立っています。配布されたレジュメやスペインチーズのパンフレットを見たり、チーズの名前を確認したりしながら会の始まるのを待ちます。今日はとりわけ珍しいチーズが多いようです。ワクワク。
チーズやワインの写真は、クリックすると大きくなります。
特別出演:たれぱんだ・ぬいぐるみケイタイクリーナー(クローバーシリーズ)
チーズやワインは農産・畜産物。どんな場所(気候や地形)で、どんな種類や特徴を持った葡萄や動物から作られるかが大きな意味を持っています。考えたら当たり前のことですが、でもふだんはなかなか考えも調べもしないそのあたりのお話を詳しくわかりやすく聞けるのが、このセミナーの楽しみです。
お話のポイント、レジュメやパンフレットの内容をまとめてみると
- スペインはヨーロッパの西端、イベリア半島の大部分(5/6)を占める国です。面積はフランスと同じくらい。北西側は大西洋、北東部はフランス、西はポルトガル、南と東側は地中海に囲まれています。
- スペイン北部は穏やかな海洋性気候、豊かな牧草地帯で牛が飼われているの地区(写真1番付近)と、ピコス・デ・エウロパ山脈が走る高山性気候の地区(写真2番、3番(バスク地方)付近)に分かれます。
- 中央(内陸)部は大陸性気候、冬は極寒、夏は猛暑の厳しい気候です(写真6番や4番、首都マドリッドもあります)。羊のチーズの産地。
- 地中海沿岸は地中海性気候、山羊のチーズの生産が盛んです(5番、7番(メノルカ島))。
説明が終わると、試食、試飲の時間。各自思い思いの順番や組み合わせでチャレンジします。美味しいチーズ、ワインをひとつひとつ味わったり、組み合わせを確かめたり、周りの人の感想をお聞きしたり、テーブルをまわってくださる講師に質問をしたり・・・あっという間に時間が過ぎていきます。
今回チャレンジしたチーズは全部で7種類、レジュメやパンフレットから、特徴を簡単に抜き出してみます。 *印がついているのはDOP(原産地呼称制度)
- サン・シモン(San Simon) 生産地:ガリシア、牛乳
- カブラレス*(Cabrales) 生産地:アストゥリアス東部、混乳(牛・羊・山羊)
- イディアサバル*(Idiazabal) 生産地:バスク、ナバーラ、羊乳
- トロンチョン(Tronchon) 生産地:アラゴン、バルセロナ、混乳(羊・山羊)
- ムルシア・アルヴィーノ*(Murcia Al Vino) 生産地:ムルシア、山羊乳
- マンチェゴ*(Queso Manchego) 生産地:ラ・マンチャ、羊乳
- マオン*(Mahon) 生産地:バレアレス諸島(メノルカ島)、牛乳
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1.サン・シモン
豊かな牧草地帯で作られる柔らかい味わいの牛乳チーズ。周りは燻製がかけられています。 |
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2.カブラレス 粗野で刺激的なブルーチーズ。熟成は自然の洞窟の中で行われ、カビも人工的に入れるのでなく空気中のものが自然に浸透するにまかせるそう。季節により混乳の割合は変化する(夏は羊や山羊の割合が多い)。 |
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3.イディアサバル 主にバスク地方で作られる羊チーズ、まったりとした味わい。燻製をかけた物もかけていない物もある。子羊の4番目の胃から取るレンネットを使うため、刺激味がある。 |
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4.トロンチョン 山岳地帯のため羊と山羊の混合牧畜が行われている地方の、村の名前が着いたチーズ。白く、帽子のような面白い形をしている。まろやかでしっとりしたチーズ。 |
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5.ムルシア・アルヴィーノ 周りを地元の赤ワインで洗いながら熟成するため外皮が赤い。ただし、中は真っ白。脂肪分が多い山羊乳で作るため、山羊乳チーズとしてはこくと甘みがある。 |
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6.マンチェゴ スペインの代表的チーズ(Quesoとはスペイン語でチーズのこと)。昔は草で編んだ籠でチーズの型を取っていたため、今でもチーズの周りに籠の模様が施されている。少しざらついた、余韻の長い味わいのチーズ。 |
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7.マオン メノルカ島で13世紀から作られている伝統的なチーズ。パプリカ入りのオイルで拭くため、オレンジ色の表皮をしている。堅く、刺激的な味わいのチーズ。 |
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ワインは全部で4種類。 −白はカヴァ(発泡酒)、赤(左の写真)、そして2種類のシェリー(右の写真)− 左から
- 1996 Juve Y Camps Brut
- 1992 Marques de Caceres Gran Reserva
- Paroma Fino
- Romate Amontillado NPU
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個人の好みはいろいろです。最後に各自「7つの中で気に入ったチーズ2つ」を選んで手を上げたのですが、見事にばらばら。おっ やはりこのチーズ好きな方が多いなあだったり、えーっ あのチーズが気に入った方もこんなにおられるの?だったり。
だからこそ、こういうチーズ会って面白いです。そういう見方もあるんだなってわかるから。あと、同時にたくさんの種類のチーズを味わったり、いろいろなワインと組み合わせてみれるのも、いいです ^-^
また、次回も楽しみです。
私の感想:ふつーのチーズに見えていて何の期待もしていなかった(^^;;)サン・シモンが素朴ながらミルキーで優しい味わいで印象に残りました。イディアサバルはぐぐっと大人の味わい。くせのある味なので、好きになったらはまってしまうそんな感じ。マンチェゴはマンチェゴ、これぞスペインチーズでした。
トロンチョンは私のいたテーブルでは評価が高かったのですが、個人的にはちょっとやさしすぎる(味わいがない)という印象。また、ムルシア・アルビーノもちょっと物足りない感じ。今回合わせた白がカヴァ(発砲)だったこともあってか、負けてしまいました(シェリーはなおさら)。カヴァ自身はとても柔らかい味わいで美味しかったのですが。でも、これらはチーズが若かったのでそう感じたのかもしれません。
今回、良くも悪くももっとも印象が強烈だったのがカブラレス。このごま塩状のカビが自然に入るなんて信じられない。お味も強烈でした。合わせた赤ワインが木訥としたじわーっとやさしい味わいでしたので(10年たってこの味わいってなんか不思議さすら感じました。他の地域のワインだったらしぶーい感じになってるだろうに)、インパクトの強いこのチーズと合わせると、負けているような、でも、そこはかとなく包み込んでしまって合っているような。不思議なハーモニーをかもしだしていました。
残念ながら、私がまったくダメだったのがマオン。チーズの味云々の前に、とにかく塩味がきつくて、薄味を好む関西人の中でも特に塩味に弱いどんたれは、どうやっても食べることができませんでした(出されたチーズを残してしまったのは始めて T_T)。 周りの方のお話では「酸味がありますねえ」と言うことだったんだけど、それを実感することろまで食べることが出来ませんでした、残念。